SSブログ
猫の病気 ブログトップ
前の5件 | -

猫エイズは人にうつるのか? [猫の病気]



“猫エイズ”

「エイズ」という言葉から、
なんだかこわい病気だと思っている人が多いようです。

「子猫を保護したらエイズだった」と
動揺する人も多いと聞きます。

飼い主やほかの猫にうつることを心配する人もいます。


しかし

猫エイズは猫によくある病気です。

人にはうつりません。(理由は後述します)

ほかの猫にも簡単にはうつりません。


人間のエイズとは異なりますし、
特段にこわがる必要はないのです。

実際我が家には十数匹の猫が同居していますが、
そのうちの3匹が猫エイズです。

では
猫エイズとはどのような病気なのか、

なぜ恐れる必要はないのか、

我が家の猫たちの例も含めて
見ていきましょう。





【猫エイズとはどのような病気か】

猫エイズの正式名称は、“猫後天性免疫不全症候群”といいます。

猫エイズについての
簡単でわかりやすい解説はこちら
   ↓

『“猫免疫不全ウイルス(FIV)”によって引き起こされる。
数年の潜伏期間を経て発症し、免疫力が極端に低下する。

けんかや交尾などにより、唾液(だえき)や血液で感染する。

治療方法はないが、生活状況などにより発症しないケースも多い。
人間や犬には感染しない。』 (デジタル大辞泉)



「数年の潜伏期間」ということで、
すぐに発病するわけではないとわかります。

猫エイズは次のような経過をたどります。

   
1.急性期
 エイズウィルスに感染したとき。

 1ケ月後くらいに発熱・倦怠感・リンパの腫れ
 などが表れます。

 これは猫の個体差があり、
 症状が軽かったり、まるで無症状の猫もいます。
 

2.キャリア期
 無症状キャリア期と言われる時期、

 この時期は、猫の体に特別な異変は見られず、
 感染していない猫と全く同じに見えます。

 しかし猫の体内ではエイズウィルスが
 免疫細胞に侵入しつつあります。


3.発症期
 体内のエイズウィルスが猛威をふるう時期。

 すでに免疫細胞が破壊されているので、
 免疫力つまり病気に対する抵抗力は非常に弱い。

 大したことのない細菌に感染して重症化したり、
 いろんな内臓疾患が起きたり・・

 この時期一番多く起きるのが“口内炎”や“歯肉炎”
 口が痛いのでドライフードを食べにくくなります。


エイズウィルスは、それ自体が猫の命を奪うのではなく、

長い時間をかけて猫の体の免疫力を奪っていく
影の黒幕のような存在なのです。



しかし前述のとおり
発症するまでの期間は猫の個体差によってさまざまで、

早ければ2年、遅ければ10年以上、
あるいは発症せずに生涯を終える猫もいるそうです。


我が家のエイズ3人組も、今のところ無事に過ごしています。


eiz3.png


保護したとき大体2、3歳くらいということでした。

すぐに避妊手術をし、ウィルス検査したところ
“猫エイズ”と診断されたのです。

あれから7年以上経っていますので、
今の年齢は10歳くらい?

さすがに活発な遊びは少なくなったものの、
元気に食べ、元気に惰眠をむさぼっています。


いつ発症するかわからないので
心の準備はしているつもりですが、

猫たちを見ているとまだまだ先のような気がします。


スポンサーリンク





【猫エイズ感染の原因と予防】

猫エイズはどのような原因で感染するのか?

それは人間の場合と同じで粘膜や血液を介して感染します。

ですので交尾で感染するのはもちろんですが、
猫はとくにケンカによる“血液感染”が原因の多く

エイズ猫とケンカしてひっかき傷を負ったとか、
エイズ猫の傷をなめたとかすればうつってしまいます。

一方、唾液による感染はほとんどないと言われてますので、
エサや水の食器を共有しても大丈夫なのです。


流血の事態となるケンカは避けなければなりませんが、
幸い我が家の猫たちはほとんどが穏やかな高齢猫。

当然みな避妊去勢済みです。

「過度に心配しなくて良い」という獣医師の言葉もあり、
我が家ではエイズ猫もほかの猫たちと同居しています。


では母親がエイズの場合、子猫はどうなのか?

母猫の胎内にいるときや出産時に産道を通るとき、
胎児の子猫は袋に包まれている状態ですので、

その過程で母子感染することはほとんどないとされてます。

生まれた後に飲む母乳にはエイズウィルスが含まれていますが、
これは徐々に消失していくものだそうです。

早い時期に子猫のウィルス検査をしてエイズ陽性だったのに、
3か月後に再検査したら陰性だったという例もあるとか。


万一、母猫の体内でエイズウィルスに感染してしまった場合、
その半数以上は死産してしまいます。

残り半数は産まれたとしても、生後6か月以内に
死んでしまうそうです。


というわけで

猫エイズは簡単にはうつらない

感染の最大原因はケンカであり、

感染を予防するにはケンカさせないこと、

一般的に飼い猫は完全室内飼いにすれば予防できる
ということがわかります。


ところで

猫エイズは人にうつるのか?という件ですが、
前述したように「人には感染しない」のです。

そして、その逆に人のエイズが猫にうつることもありません。

なぜなら
猫と人間はDNA構成が全く違う種属だからです。(≧▽≦)

どうぞご心配なく!


【猫エイズの治療法は?】

万一猫エイズを発症した場合の有効な治療法は何か?
ということですが、

残念ながら猫エイズそのものの治療薬はありません。


“猫エイズワクチン”は一応あるのですが、
効果は限定的で、

いくつかの副作用があるとのことで
広く使用されているわけではなさそうです。

ですので

飼い猫であれば、感染しないように注意することや、

すでに感染した猫であれば、発病をできるだけ遅らせること、

発病した猫であれば、その症状への対症療法を行ない
できるだけ安穏に生活できるようにすること、

というような対策をとるしかなさそうです。


参考の一例ですが

エイズ猫が風邪をひいたりした場合、
わりと有効なのはインターフェロンです。

インターフェロンには、「抗ウィルス作用」、「抗腫瘍作用」、
「免疫増強作用」という効能があるので、

猫エイズだけでなく、猫風邪や白血病、あるいは悪性腫瘍など、
様々な病気に幅広く活用されており、

抗生剤と共に使用することで
著しい改善効果をもたらしているそうです。


以上見てきたように
猫エイズは過度に恐れる必要のない病気です。

もしあなたの猫が猫エイズだったとしても
ごく普通に愛猫との生活を楽しむことができるのです。

偏見を持たずに猫を見守りましょう。

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:ペット

意外と多い猫の便秘、対策しないと大変なことに! [猫の病気]

“便秘”といえば

“女性の悩み”と連想されるものですが、

意外と“便秘の猫”も多いのです。

人も猫も基本的に1日に1回は排便するものですが、
2~3日出なければ便秘ということになります。


猫が便秘になると
何度もトイレに行くようになります。

排泄ポーズをとっているのに、
便が硬いためなかなか出ない。σ(´ x `;*)・・・

長い時間トイレでがんばったのに、
やっと出ても細い便だったり、硬くころころとした便だったり。


我が家の便秘猫は
「出ない~ッ!」とわめいていました。




長期にわたってこんな便秘が続くと、 体内にたまった便が内臓器官に悪影響を及ぼします

結果として食欲不振や嘔吐、皮膚や目の黄疸
などの症状がみられるようになります。

さらに重症化すると巨大直腸症になったり
腎臓がダメージを受けて、

最悪の場合は死に至る可能性もあるのです。


たかが便秘と侮ることはできません。

原因を知って、それに応じた対策をとりましょう。




まずは、どんな猫が便秘になりやすいのかというと
       ↓

●10歳以上の高齢猫

●普段から小食で偏食な長毛種

●ドライフードを好まず、ささみや缶詰を主食としている

●普段から水分摂取量が少ない

●多頭飼育の家で常にストレスを抱えている

●避妊去勢の手術後体重が増加し肥満になった

●長期にわたり抗生物質等投与の治療を受けた

●あまり運動せず、ゴロゴロ寝てばかりいる


こんな生活の猫たちは便秘になりやすいのです。



さらには
次のような体の機能的問題もあります。

●遺伝

マンクスなど、短いしっぽが特徴の品種においては、
仙骨や尾骨の先天的奇形が発生することがあります。

その結果、骨盤周辺の神経系に不具合が生じて便秘を起こす。

●結腸の閉塞

便を通過させる結腸の中に障壁があり、便通がブロックされてしまう。

●蠕動運動の低下

結腸の蠕動運動が弱まり、便をスムーズに移動できない状態となる。
高齢猫や巨大結腸症の猫などに多い。

●排便時の痛み
 
体の機能は正常であるものの、痛みがあるために排便できない状態。

これは、肛門や直腸の狭窄、肛門周辺の傷や肛門嚢炎、
直腸内の異物、骨盤や後足の骨折、腫瘍、脱肛などが原因です。



以上のような機能的問題は
動物病院の診断によって詳しくわかります。


スポンサーリンク






では

便秘で苦しむ猫のために
それぞれに応じた対策をとりましょう。
    ↓

◆ フードを変える

食物繊維の多いフードにすることで、
便をやわらかくし、腸の蠕動運動を促します。

ロイヤルカナン 消化器サポート(可溶性繊維)
または、ヒルズのw/d などが良いでしょう。


◆ 水分をとらせる

水分が少ないと、ウンチが固くなってしまいます。
いつでもきれいな水を飲めるように置いてあげましょう。

寒い冬場は飲みやすいぬるま湯にします。

あまり水を飲まない猫には、スポイトやシリンジで、
口の隙間から少しづつ舐めさせるように注入します。

◆ 整腸薬やサプリを利用する

人間用の「ビオフェルミン」がよく効くようです。
少量を砕いてフードに混ぜて与えます。

病院で処方されるモニラック(ラクツロース)も効きます。

また、オリゴ糖や猫用ヨーグルト・ミルク、
ガスモチンなども利用してみると良いかもしれません。



◆ お腹マッサージ

猫のお腹を優しく揉んであげましょう。



◆ ストレス管理

猫はじつは繊細な生き物です。

多頭飼育であまりかまわれない、
あるいは逆にかまいすぎ、

トイレが少ないかまたは汚い、

何かしら飼い主に不満があるかもしれません。

思い当たることがあればそれに対応して、
ストレスを軽減してあげましょう。



◆ 病院での輸液・摘便・浣腸

点滴や皮下注射によって輸液を行い、
猫が脱水症状に陥らないようにします。

便がすっかり固まってしまった場合、
人の指で摘便します。

それでも出し切れない場合は、
規定量の生理食塩水や薄めた浣腸薬で浣腸。


摘便や浣腸は猫の体に負担となるので、
獣医師の指示のもと適切に行なわれます。


便秘は人間にとっても辛いもの。

愛猫の辛さを少しでも軽減してあげましょう。










タグ:猫 便秘
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ペット

膀胱炎!猫がかかりやすい厄介な病気 [猫の病気]

膀胱炎は、猫がかかりやすい病気のひとつ、
その名のとおり、膀胱の炎症です。


膀胱内に侵入したブドウ球菌や大腸菌などの細菌、
または真菌の増殖により炎症が起きたり、

まれに寄生虫が原因で炎症が起きることもあります。

あるいは、膀胱内の尿結晶や尿結石によって炎症が起きる場合もあります。

原因が特定できない「突発性膀胱炎」というのもあります。




猫の膀胱炎は冬場に多くみられますが、
夏場にも起こしやすいと言われます。

暑くなると体内の水分が失われます、
寒くなると運動量の減少や水温の低さなどから飲む水の量が減ります。

結果として、

尿が濃くなり雑菌が繁殖しやすくなって膀胱炎になったり、
結石症を起こしやすくなったりするのです。

オス猫よりもメス猫の方が尿道が短く、
膀胱に細菌が侵入しやすいため、

メス猫の方が膀胱炎にかかりやすいです。



膀胱炎は、一度かかってしまうと、 何度も繰り返してしまうケースが多くみられます。

ですので
膀胱炎は普段からの予防がとても大切です。




猫の膀胱炎の主な症状は
   ↓
   
*ぐったりして元気がない
*食欲不振
*発熱
*水をたくさん飲む
*頻繁にトイレに行く
*尿の色が濃い、濁っている
*尿のにおいが強い
*トイレに行くが尿は出ていない
*血尿
*トイレの失敗(違う場所でする)


以上のような症状が見られたら
動物病院で診てもらいましょう。


悪化してからではなかなか治りにくくなります。

結石のため尿が詰まってしまうと
最悪3日ほどで死に至る場合がありますので楽観できません。




膀胱炎の治療は原因によって次の通りです。
    ↓

細菌や真菌などの感染が原因の場合は、
抗生物質や抗真菌剤を投与

尿結晶や尿結石が原因の場合は、
外科手術での除去、または膀胱洗浄

場合によっては内科的治療で溶かす。



スポンサーリンク






膀胱炎は繰り返すことが多いので、
一度かかってしまった場合はもちろんのこと、

まだかかっていないとしても
予防対策をとることが最善です。


予防の基本は、この2つ

●トイレ環境を清潔に保つこと

●飲水量を増やすこと


[→] トイレ環境を清潔にすることは、

トイレに入りやすくするとともに
猫の体内に細菌が侵入することを防ぎます。

ウンチは早めに取り除き、
トイレの砂をこまめに交換する。

トイレは猫の頭数に応じて十分な数を設置する。


[→] 飲水量を増やすことで、
排尿の量を増やし原因となる細菌の体外排出を促進します。

猫がいつでも気軽に水を飲めるように、

何カ所かに水用食器を置く、
毎日新鮮な水に取り替える、

寒い冬場は飲みやすい温水にする、
などの工夫をしてあげましょう。




また
栄養バランスのとれた良質のフードも予防対策になります。

カルシウム、マグネシウム、リンなどのミネラル成分を低減したもの、
尿のpHバランスを調整するもの、などのフードで

結石ができ膀胱炎になるリスクを減らすことができます。



突発性の膀胱炎を予防のためには
     ↓

突発性膀胱炎の主な原因は、肥満、飲水不足、寒さ、ストレスなどですので、
猫にとって良い環境をつくってあげることが最善の予防法です。

肥満であれば、フードを低カロリーのものにし、
たくさん遊んであげて運動量を確保することです。

また、水場を増やすこと、水を新鮮に保つことは重要。

さらに、寒くならないように室温を適正に保つこと、

キャットタワーやおもちゃを用意してあげて
ストレス解消をはかるのも良いことです。




猫の膀胱炎はかかりやすく治りにくい病気です。

事前に予防策をこうじて愛猫を守りましょう。








タグ:病気 膀胱炎
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ペット

猫の鼻風邪を軽くみてはいけない! [猫の病気]

猫も風邪をひきます。

くしゃみしたり、鼻水をたらしたり
人の“鼻風邪”と同じ症状を見せます。

しかし

“鼻風邪”だからといって
軽くみてはいけません。





猫の鼻風邪は、『猫ウイルス性鼻気管炎』という病名で、

猫のヘルペスウイルスが原因で起こる猫風邪の一つです。


猫カリシウイルスと混合感染することが多く、
冬場に多く見られます。


この「猫ウイルス性鼻気管炎」は、

母猫からの猫ヘルペスウイルス(FHV)に対する移行抗体が
無くなる1、2カ月齢前後の子猫に多く見られます


通常は2週間程度で回復するものですが、
冬の寒い時期の猫は抵抗力が弱くなっており、
感染すると進行が早く重症化する恐れがあります。




感染後2日から10日程度の潜伏期間をおいて
以下のような症状を示します。

発熱
食欲不振
くしゃみ

鼻水
鼻や顔のヘルペス性皮膚炎
口内炎
角膜炎・結膜炎
涙・目ヤニが増える


15337440_1214687435266780_1163755780816070487_n.jpg


15420864_1214687488600108_9039672410278978656_n.jpg





重症化すると食欲が低下するため
急激な衰弱や脱水症状に陥る場合もあります。

子猫や高齢の猫など免疫力が弱まっている猫の場合、
肺炎を起こすなど重症化する場合もあります。

また妊娠中の猫が感染すると流産の危険性もあります。




原因は“飛沫感染”と“接触感染”

ウイルスに感染した猫がくしゃみをすると、
飛び散ったつばから感染が広がっていきます。


またよだれや鼻水などからも接触感染します。

母猫が子猫を舐めたり、
仲の良い猫同士のグルーミング、
多頭飼いでの食器の共有、

などの接触を通じて感染します。

場合によっては、
感染猫に触れた人間が他の猫に触れることでも感染します。



スポンサーリンク






子猫の場合、母猫の体内にいる間に、
胎盤を介して感染することもあります。

症状が現れていない猫でも、
感染歴のある猫は三叉神経節(脳から顔に伸びる神経)
の中にウイルスを保有していることがありますので要注意!



重症化してしまうと自然治癒することは少ないので、
動物病院での適切な治療が必要です。

しかし
ヘルペスウイルスを直接退治する特効薬はありませんので、
現れた症状に対する対症療法が治療の基本となります。


病院では二次感染を予防するために
抗生物質やインターフェロンを投与します。

通常は2週間程度で回復します。

自宅では
脱水症状を防ぐため飲み水が無くならないように注意し、
栄養のあるフードと室温管理にも気を配ります。


一度感染してしまうと、
回復後もウイルスが体に残り、キャリアとなることがほとんどです。

そのため慢性の鼻炎になってしまう場合もあります。
そして体力が衰えた時など再び症状が出てしまいます。


ですので
なんといっても予防が第一!

猫ヘルペスウイルスにはワクチンがあります。

最も一般的な「三種混合ワクチン」で予防できるのです。

子猫の場合は初年度2回。
成猫の場合は年1回。

費用は大体2~3千円。

この「三種混合ワクチン」で
『猫ウイルス性鼻気管炎』を予防しましょう。




しかしヘルペスウイルスには、
インフルエンザのようにいくつかの型があるので、

ワクチンを打ったのに、まれに感染することがあります。

でも、ワクチンで体内に抗体を作っておけば、
比較的軽状でおさまる場合が多いようです。


自宅に猫を飼っている人は、
風邪ひきの猫にさわらないのはもちろん、

野良猫をはじめほかの猫を触ったら、
帰宅後必ず手を洗うことが大切です。

人間のインフルエンザ予防と同じように注意して
愛猫を守りましょう。








タグ:猫 鼻風邪
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ペット

子猫のお尻から気味の悪い虫が出てきた! [猫の病気]

子猫を保護して、

「かわいい!」
「すぐ里親さん決まるね!」

などと喜んでいたある日。

子猫のお尻から小さな白い虫が出てきた。

床に落ちてうごめいている。 (;゚Д゚)

気味が悪い~!!


初めて見る人にはショックですよね。

猫のおなかに寄生する寄生虫でした。




猫の寄生虫について調べてみました。


主なものは、↓


猫回虫(ねこかいちゅう)

猫鉤虫(ねここうちゅう)

瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)

マンソン裂頭条虫(まんそんれっとうじょうちゅう)

コクシジウム(原虫)

トキソプラズマ(原虫)


おなかの虫は種類によって、大きさや形状、
感染経路も異なります。

ひとつづつ見ていきましょう。




◆猫回虫(ねこかいちゅう)

回虫.jpg


猫回虫の成虫は3-12cmの白くて細長い虫。猫の腸に
寄生し、炭水化物やタンパク質を栄養源にします。


感染経路はこうです。
  ↓

仔猫の腸の中で成虫になった回虫が卵を産み、
糞便中に混ざって外界に卵が排出される。
  ↓

便に混ざって排出された卵が、グルーミングなどで
他の猫の口に入ることで感染。



妊娠している猫が感染している場合、胎盤感染
で生まれてくる子猫にも感染します。

またネズミや小鳥を捕って食べることで感染することもあります。


成猫は感染しても特に問題症状は現れないこともあります。
しかし子猫に感染した場合は重い症状を引き起こす場合があり、
まれに命に関わることもあるのです。


症状は ↓

・下痢や軟便
・咳や嘔吐(回虫を吐き出す場合も有)
・体重が増えず、発育不良
・お腹が膨れる etc.


治療法は、駆虫薬の投与です。
下痢や嘔吐などの症状があるときはその治療も併用します。




◆猫鉤虫(ねここうちゅう)

鉤虫.jpg


猫鉤虫の成虫は、体長1~2cmの細くて白い虫で、
腸の粘膜に咬みついて、血液を吸います。


感染経路は上記の回虫の場合と似ています。
  ↓

鉤虫の卵は、感染した猫の糞便と一緒に排出される。
  ↓ 

この卵が孵化して、幼虫が猫の口の中に入ったり、
皮膚から体内に侵入したりすることで感染。


また、胎盤や乳汁を介して母猫から子猫にも感染します。



成猫では無症状な場合がほとんどですが、
大量に鉤虫が寄生している場合などは、
慢性的な貧血や軟便がみられることもあります。


子猫の場合は重症化することが多く、
発見が遅れると命に関わる場合もありますので、

次のような症状がみられるときは要注意です。
  ↓  

・下痢
・血便やタール状の黒色便
・貧血や脱水
・発育不良 etc. 


治療法は、上記同様駆虫薬を投与します。

また、貧血や脱水などの症状がみられるときは
その治療法も併用していきます。



スポンサーリンク






◆瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)

瓜実条虫.jpg


体長50cmにもなるサナダムシの仲間で
腸の粘膜に体を固定し体の表面から栄養分を吸収します。


米粒がつながったような体なので、
白っぽいゴマみたいな粒がお尻の周りにくっついていたり、
猫が寝ている場所に落ちていることがあります。


この虫の感染経路は“ノミ”です。

ノミが瓜実条虫の卵を食べることで媒介。
    ↓

卵はノミの体内で小虫に成長。
    ↓

このノミを猫がグルーミングのときなどに食べることで感染。

したがって、ノミの寄生がない猫は感染しません。



少数の寄生であれば、症状はあまり現れません。

しかし、条虫の白い片節や虫体の端が
肛門から出てくることがあります。



瓜実条虫の治療は、やはり駆虫薬の投与
また、ノミを退治しない限り繰り返し感染するので、

同時にノミの駆除も行ないます。



◆マンソン裂頭条虫(まんそんれっとうじょうちゅう)

マンソン裂頭条虫.jpg


最大で1~2mになる白いきしめんのような平たいサナダムシの仲間。
小腸に寄生します。

感染すると猫の小腸で1年以上生きる強い虫です。


この虫の感染経路はカエルやヘビ

猫が、幼虫を持ったカエルやヘビ(中間宿主)を
食べることで感染します。


健康な成猫ではほとんど症状はみられませんが、
他の病気にかかっているときやストレスがかかったとき、
抵抗力が落ちたときなどに、下痢や嘔吐の症状が現れます。


マンソン裂頭条虫は、駆虫薬で治療できるものの、
瓜実条虫駆虫の約6倍量の薬が必要という強者です。




◆コクシジウム(原虫)

コクシジウムは他の寄生虫とは異なり、
顕微鏡でないと見えない原虫です。

腸の細胞の中に入り、細胞を壊しながら増殖していきます。

下痢や血便、食欲不振という症状がみられます。

これは一度感染するとなかなか駆除しにくい寄生虫です。

ごく少数の寄生では何の症状も出ないということがありますが、
環境の変化やストレスで爆発的に増殖します。

とくに子猫が感染した場合は、
急速に消耗してしまうこともある恐い寄生虫です。



◆トリコモナス(原虫)

顕微鏡で見る原虫(単細胞寄生虫)の仲間。

病原性は少ないようですが、
大量に寄生すると下痢、水様便、血便がみられます。



◆トキソプラズマ(原虫)

同じく顕微鏡でないと見えない原虫。

現れる症状は上記2つの原虫とほぼ同様です。




以上、
気味の悪い様々な寄生虫を見てきました。

外で拾った子猫は寄生虫を持っていることがほとんどです。

下痢をしていないか確認し、
糞便を持参して動物病院で調べてもらいましょう


多頭飼いをしている場合は、すぐに蔓延する恐れがあります。

1頭でも寄生虫を持っている猫が見つかったら
必ず全頭同時に駆虫する必要があるのです。








タグ:猫 寄生虫
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ペット
前の5件 | - 猫の病気 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。