“猫の祟り”は本当にあるのか? [猫に関するよもやま話]
化け猫の話と関連しますが、
“猫の祟り”という話もあります。
「猫を殺すと七代祟る」という言葉を聞いたことありますか?
七代までって相当な年数です。
ホラー映画は別として、
本当に猫の祟りはあるのでしょうか?
いくつかの事例を交えて考えてみましょう。
まずは“猫の祟り”だと言われる事例から
↓
田舎の方では未だに猫の避妊去勢をせずに、
子猫が産まれたら山に捨てたり川に流したりする所がある。
「猫を捨てたり殺したりするのは犯罪!」
という動物愛護法のことなんか知らない人が多い。
多少知っていても自分には関係ないとばかり
まるで無視する人たち。
そんなことを繰り返していた人にある日不幸が起きる。
◆幼子が行方不明になり、遺体で発見された。
川に流されたようだ。
◆妻子持ちの男性が前触れもなく自殺。
仕事がうまくいかなかったようだ。
◆一家の家長が急に脳卒中で倒れ、
そのまま死亡。
◆仲の良い家族に見えていたのに、
夫の浮気に始まり家庭崩壊の結末。
◆妻が心不全で急死し、3年後に夫も心不全で急死。
こんな話は枚挙にいとまがない。
似たような話を少なからず聞いたことがあると思います。
昨年頃、ネット上で広まった話題はご存知かもしれませんね。
◆アメリカである男が自宅の窓から誤って転落し、
そのうえゴミ収集車に轢かれ重傷を負った。
この男はその前年に猫をバットで殴って目を潰していた。
◆日本のある男が、野良猫をさらってきて虐待し、
絶命するまでの様子をネット中継した。
この男は数年後に、自宅内の爆発事故で重傷を負った。
この2つのニュースが流れた時、
ネット上では「祟りだ」「天罰が下った」などの声で炎上。
すでにこの2人は共に動物虐待の罪で起訴されており、
居住地やフルネームも公表されるなど社会的制裁は受けていた。
今度はそれだけでは足りないかのような大ケガを負い、
さらにこのニュースがネットに広まるという、
厳しい追加制裁を受けてしまった。
こんな風に聞くと
本当に“猫の祟り”だったのかもと思えてきますね。
しかし
真実はどうなのでしょうか・・?
スポンサーリンク
もしかすると
“化け猫”が迷信や誤解から生じたように、
“猫の祟り”もそうなのかもしれません。
たしかに“猫の祟り”と言われる話は多数ありますが、
殺された猫の数はそれよりはるかに多く
数えきれないほどではありませんか?
捨てられたり虐待で殺されたり、
交通事故でひかれて死んだ猫の数だけでなく、
殺処分場で殺される猫の数を考えると、
全く数が合いませんよね。
しかも
猫が“祟る”だけでなく、
“恩返し”するという真逆の話もあるのです。
映画で有名な“猫の恩返し”、
これも本当にあると言われています。
猫を愛し、大切に飼っていた人に訪れる幸運。
↓
●重篤だったのに病気が治った、
代わりに猫が死んでいた。
●猫を保護したら、失業していたのに、
仕事が殺到するようになった。
●猫を保護したら、馬券が当たった。
同じく、福引が当たった。
“招き猫”でわかるように、
猫は福を呼ぶ、という謂れもあるのです。
それでこういう話になったと思われます。
しかしこういった話も、
猫を保護した人や飼っている人の数と
全く釣り合わないでしょう。
猫を飼っている人皆に幸運が舞い込むとは思えません。
(複数猫を飼っているので断言できます。)
こう考えてくると
“猫の祟り”と“猫の恩返し”
この真逆の話からわかるのは
猫は大切にされると恩返しをし、
虐待されると祟る、というわけです。
そうであれば当然
猫を大切にしようと思いますよね?
生き物の命をむやみに殺生しない、
生き物を代表する身近な猫を大切にする、
2つの言い伝えには
こんな道徳観が込められているのかもしれません。
というわけで
“猫の祟り”は本当にあるのか?
という疑問の答えは
↓
あえて
「各人の胸に有り」ということにしておきましょう。
“猫の祟り”という話もあります。
「猫を殺すと七代祟る」という言葉を聞いたことありますか?
七代までって相当な年数です。
ホラー映画は別として、
本当に猫の祟りはあるのでしょうか?
いくつかの事例を交えて考えてみましょう。
まずは“猫の祟り”だと言われる事例から
↓
田舎の方では未だに猫の避妊去勢をせずに、
子猫が産まれたら山に捨てたり川に流したりする所がある。
「猫を捨てたり殺したりするのは犯罪!」
という動物愛護法のことなんか知らない人が多い。
多少知っていても自分には関係ないとばかり
まるで無視する人たち。
そんなことを繰り返していた人にある日不幸が起きる。
◆幼子が行方不明になり、遺体で発見された。
川に流されたようだ。
◆妻子持ちの男性が前触れもなく自殺。
仕事がうまくいかなかったようだ。
◆一家の家長が急に脳卒中で倒れ、
そのまま死亡。
◆仲の良い家族に見えていたのに、
夫の浮気に始まり家庭崩壊の結末。
◆妻が心不全で急死し、3年後に夫も心不全で急死。
こんな話は枚挙にいとまがない。
似たような話を少なからず聞いたことがあると思います。
昨年頃、ネット上で広まった話題はご存知かもしれませんね。
◆アメリカである男が自宅の窓から誤って転落し、
そのうえゴミ収集車に轢かれ重傷を負った。
この男はその前年に猫をバットで殴って目を潰していた。
◆日本のある男が、野良猫をさらってきて虐待し、
絶命するまでの様子をネット中継した。
この男は数年後に、自宅内の爆発事故で重傷を負った。
この2つのニュースが流れた時、
ネット上では「祟りだ」「天罰が下った」などの声で炎上。
すでにこの2人は共に動物虐待の罪で起訴されており、
居住地やフルネームも公表されるなど社会的制裁は受けていた。
今度はそれだけでは足りないかのような大ケガを負い、
さらにこのニュースがネットに広まるという、
厳しい追加制裁を受けてしまった。
こんな風に聞くと
本当に“猫の祟り”だったのかもと思えてきますね。
しかし
真実はどうなのでしょうか・・?
スポンサーリンク
もしかすると
“化け猫”が迷信や誤解から生じたように、
“猫の祟り”もそうなのかもしれません。
たしかに“猫の祟り”と言われる話は多数ありますが、
殺された猫の数はそれよりはるかに多く
数えきれないほどではありませんか?
捨てられたり虐待で殺されたり、
交通事故でひかれて死んだ猫の数だけでなく、
殺処分場で殺される猫の数を考えると、
全く数が合いませんよね。
しかも
猫が“祟る”だけでなく、
“恩返し”するという真逆の話もあるのです。
映画で有名な“猫の恩返し”、
これも本当にあると言われています。
猫を愛し、大切に飼っていた人に訪れる幸運。
↓
●重篤だったのに病気が治った、
代わりに猫が死んでいた。
●猫を保護したら、失業していたのに、
仕事が殺到するようになった。
●猫を保護したら、馬券が当たった。
同じく、福引が当たった。
“招き猫”でわかるように、
猫は福を呼ぶ、という謂れもあるのです。
それでこういう話になったと思われます。
しかしこういった話も、
猫を保護した人や飼っている人の数と
全く釣り合わないでしょう。
猫を飼っている人皆に幸運が舞い込むとは思えません。
(複数猫を飼っているので断言できます。)
こう考えてくると
“猫の祟り”と“猫の恩返し”
この真逆の話からわかるのは
猫は大切にされると恩返しをし、
虐待されると祟る、というわけです。
そうであれば当然
猫を大切にしようと思いますよね?
生き物の命をむやみに殺生しない、
生き物を代表する身近な猫を大切にする、
2つの言い伝えには
こんな道徳観が込められているのかもしれません。
というわけで
“猫の祟り”は本当にあるのか?
という疑問の答えは
↓
あえて
「各人の胸に有り」ということにしておきましょう。
タグ:猫の祟り
日本の化け猫は勘違いと迷信の組み合わせ? [猫に関するよもやま話]
化け猫の話 Part2
前回、「鍋島猫騒動」について書きましたが、
もう少し興味深い話がありますので、
今回も化け猫についてです。
「猫又」と「行灯の油をなめる猫」
これは日本独特の話だと思います。
① 猫又
猫が化けるものとされたのはまず中国に始まります。
中国でも猫はネズミをとってくれる存在ではありましたが、
虎や山猫が人を化かして食べてしまう寓話も多く伝えられていたため、
飼い猫も同様に人を化かすだろうと想像されたようです。
日本においては藤原定家の明月記の中に
山間部で人を襲う猫の妖怪「猫又」が登場します。
猫又とは尻尾が二股や七股などに分かれている猫の妖怪。
長生きの老猫が猫又になるといわれています。
その年数は定かではありませんが。
猫又は人の言葉を話したり、
手拭いを被って踊りを踊ったり、
人に取り憑いて悶死させたり、
大きな牙で人を食い殺したり、するそうです。
尻尾がいくつかに分かれている怪猫って、
何かに似ていませんか?
? そう「九尾の狐」
九尾の狐とは、中国神話に登場する生物で、
9本の尻尾をもつ妖狐、狐の妖怪です。
朝鮮においては「クミホ」と呼ばれる。
映画やテレビでよく扱われていますね。
日本では、玉藻前の伝説が有名。
玉藻前とは、平安時代に鳥羽上皇の寵姫であったとされる人物。
じつは妖狐の化身であり、正体を見破られた後、
下野国那須野原で殺生石になったとされている。
こうして考えてみると
猫又の話は九尾の狐の縮小コピー版?
と思えてきますね。
真偽のほどはわかりませんが・・
スポンサーリンク
ところで
最近面白い情報を目にしました。
海外からの画像でしたが長毛の猫が
放っておかれた結果 ものすごい毛玉が、
何本かの尻尾のようになっていたのです。
これこそ猫又?
あるいは九尾の狐?
と思ってしまうほどの・・
じつは毛玉だった。 (´゚д゚`)
超オドロキでしたけど、あり得る勘違い!
猫又も九尾の狐も、
発端は何らかの勘違いだったのかも?
なんて憶測してしまいました。
② 行灯の油をなめる猫
日本の化け猫はなぜか行灯の油をなめる
ということになっています。
“行灯”って時代劇に出てくるあの薄暗い灯りです。
江戸時代、行灯には安い鰯油などが用いられていたとか。
魚油ですから、猫がなめたくなるというわけ。
当時の人々の食生活を考えると納得です。
穀類や野菜類が中心の食事ですから、
猫に与える残り物は当然栄養価の乏しい猫まんま。
魚の骨や頭をたまにもらうか、
鳥やネズミを捕まえたときに、
動物性蛋白質をとれる程度で、
普段のあっさり猫まんまでは猫は栄養不足。
行灯の油を盗みたくなるわけです。
2本足で立って行灯の油をなめる猫の影が
障子に映っているのを見れば、
“化け猫”と思ってしまうのも無理からぬこと。
“猫又”も“行灯の油をなめる猫”も
勘違いから生じた迷信だったのかもしれません。
前回、「鍋島猫騒動」について書きましたが、
もう少し興味深い話がありますので、
今回も化け猫についてです。
「猫又」と「行灯の油をなめる猫」
これは日本独特の話だと思います。
① 猫又
猫が化けるものとされたのはまず中国に始まります。
中国でも猫はネズミをとってくれる存在ではありましたが、
虎や山猫が人を化かして食べてしまう寓話も多く伝えられていたため、
飼い猫も同様に人を化かすだろうと想像されたようです。
日本においては藤原定家の明月記の中に
山間部で人を襲う猫の妖怪「猫又」が登場します。
猫又とは尻尾が二股や七股などに分かれている猫の妖怪。
長生きの老猫が猫又になるといわれています。
その年数は定かではありませんが。
猫又は人の言葉を話したり、
手拭いを被って踊りを踊ったり、
人に取り憑いて悶死させたり、
大きな牙で人を食い殺したり、するそうです。
尻尾がいくつかに分かれている怪猫って、
何かに似ていませんか?
? そう「九尾の狐」
九尾の狐とは、中国神話に登場する生物で、
9本の尻尾をもつ妖狐、狐の妖怪です。
朝鮮においては「クミホ」と呼ばれる。
映画やテレビでよく扱われていますね。
日本では、玉藻前の伝説が有名。
玉藻前とは、平安時代に鳥羽上皇の寵姫であったとされる人物。
じつは妖狐の化身であり、正体を見破られた後、
下野国那須野原で殺生石になったとされている。
こうして考えてみると
猫又の話は九尾の狐の縮小コピー版?
と思えてきますね。
真偽のほどはわかりませんが・・
スポンサーリンク
ところで
最近面白い情報を目にしました。
海外からの画像でしたが長毛の猫が
放っておかれた結果 ものすごい毛玉が、
何本かの尻尾のようになっていたのです。
これこそ猫又?
あるいは九尾の狐?
と思ってしまうほどの・・
じつは毛玉だった。 (´゚д゚`)
超オドロキでしたけど、あり得る勘違い!
猫又も九尾の狐も、
発端は何らかの勘違いだったのかも?
なんて憶測してしまいました。
② 行灯の油をなめる猫
日本の化け猫はなぜか行灯の油をなめる
ということになっています。
“行灯”って時代劇に出てくるあの薄暗い灯りです。
江戸時代、行灯には安い鰯油などが用いられていたとか。
魚油ですから、猫がなめたくなるというわけ。
当時の人々の食生活を考えると納得です。
穀類や野菜類が中心の食事ですから、
猫に与える残り物は当然栄養価の乏しい猫まんま。
魚の骨や頭をたまにもらうか、
鳥やネズミを捕まえたときに、
動物性蛋白質をとれる程度で、
普段のあっさり猫まんまでは猫は栄養不足。
行灯の油を盗みたくなるわけです。
2本足で立って行灯の油をなめる猫の影が
障子に映っているのを見れば、
“化け猫”と思ってしまうのも無理からぬこと。
“猫又”も“行灯の油をなめる猫”も
勘違いから生じた迷信だったのかもしれません。
タグ:化け猫
怪談“鍋島猫騒動”は猫に対する名誉棄損 [猫に関するよもやま話]
“化け猫の話”というものがあります。
たいていの話は、
猫が恐ろしい妖怪となって人間に襲いかかるというもの。
猫好きの人にとって
かわいい猫が
恐ろしい“化け猫”と同一種であるとは考えられませんよね。
そうです。
同一種のはずがありません。
“化け猫”の話は作り話なのです。
はるか昔、鎌倉時代から猫は化けるものと
されてきましたが、
そんな妖怪伝説は中国から伝わったとも、
想像たくましい人の創作とも言われます。
どんな話なのか、と言いますと
↓
“化け猫”の話で代表的なのは佐賀県の「鍋島猫騒動」
これは肥前佐賀藩で起こったお家騒動が元となっています。
秀吉から家康にかけての時代のことで、
主君であった龍造寺家と家臣であった鍋島家によるお家騒動。
肥前の国佐賀藩は、
主家をしのぐ権力を握った鍋島家が幕府に公認されて成立したもの。
本来は国主のはずの龍造寺高房が無念の死をとげた後、
亡霊が出るという噂話が発展して、
高房が飼っていた猫が化けて出て復讐をはかることに。
しかし
鍋島家の忠臣によって最終的に退治されるという話になった。
亡霊の噂は、
好奇な人々によって作り出されたもので、
それがさらに脚色されて
史実とは大いに異なる物語となり、
芝居や講談の演目となって、大人気を博したといいます。
スポンサーリンク
じつはこの「鍋島化け猫騒動」
2つの違う物語になっています。
↓
① 龍造寺家の怨みをはらす怪猫
ある日、佐賀藩の二代目藩主・鍋島光茂と臣下である龍造寺家の
当主・又一郎が碁の対局をしていた。
龍造寺家はもともと鍋島家の主筋だったのだが、時代の影響で、
立場が逆転していた。
元々そういう遺恨があったのだが、使用していた碁盤の因縁によって、
幻覚に惑わされた光茂は、又一郎の首を斬り殺してしまう。
光茂の側近、小森半左衛門により事件は隠蔽されるが、
又一郎の母親がそれを知る。
怒り悲しんだ母親は、怨みの念を込め自害、
愛猫のコマがその血をなめる。
コマは怪猫となって、光茂の周囲で次々と怪事件を起こす。
結局腰元に化けていたコマは、半左衛門によって正体を暴かれ、
壮絶な戦いの末、ついに怪猫コマは討ち取られる。
② お姫様の怨念を負った怪猫が仇討ち
こちらは、龍造寺家のお姫様が無念の自害を図り愛猫と共に死ぬが、
その怨念を託された猫があだ討ちをしたという物語。
藩主鍋島直茂に目を付けられた女たちとその許婚や家族が犠牲になる。
強烈な怨念を持った猫が女たちに姿を変えてだましたり祟ったり、
敵の者の喉首を食いちぎったりと、かなり残忍な化け猫だ。
どちらも怖ろしすぎる怪談話で、
猫とは全くかけ離れてしまってます。
こんな怪談に猫を利用するなんて!
猫に対する名誉棄損もいいとこ!
怒りを覚えますが・・
冷静に考えてみると、
こんな昔の話を知っている人は今や数少ない。
猫=化け猫 と考える人も数少ない。
ということで
はるか昔の際物、娯楽の無い時代のエンタメだった
と理解しておくことにしましょう。
我が家の猫たちと化け猫ごっこをしてみましたが、
全然恐くないどころか、
猫の方が自分の影に驚いていました。
↓
たいていの話は、
猫が恐ろしい妖怪となって人間に襲いかかるというもの。
猫好きの人にとって
かわいい猫が
恐ろしい“化け猫”と同一種であるとは考えられませんよね。
そうです。
同一種のはずがありません。
“化け猫”の話は作り話なのです。
はるか昔、鎌倉時代から猫は化けるものと
されてきましたが、
そんな妖怪伝説は中国から伝わったとも、
想像たくましい人の創作とも言われます。
どんな話なのか、と言いますと
↓
“化け猫”の話で代表的なのは佐賀県の「鍋島猫騒動」
これは肥前佐賀藩で起こったお家騒動が元となっています。
秀吉から家康にかけての時代のことで、
主君であった龍造寺家と家臣であった鍋島家によるお家騒動。
肥前の国佐賀藩は、
主家をしのぐ権力を握った鍋島家が幕府に公認されて成立したもの。
本来は国主のはずの龍造寺高房が無念の死をとげた後、
亡霊が出るという噂話が発展して、
高房が飼っていた猫が化けて出て復讐をはかることに。
しかし
鍋島家の忠臣によって最終的に退治されるという話になった。
亡霊の噂は、
好奇な人々によって作り出されたもので、
それがさらに脚色されて
史実とは大いに異なる物語となり、
芝居や講談の演目となって、大人気を博したといいます。
スポンサーリンク
じつはこの「鍋島化け猫騒動」
2つの違う物語になっています。
↓
① 龍造寺家の怨みをはらす怪猫
ある日、佐賀藩の二代目藩主・鍋島光茂と臣下である龍造寺家の
当主・又一郎が碁の対局をしていた。
龍造寺家はもともと鍋島家の主筋だったのだが、時代の影響で、
立場が逆転していた。
元々そういう遺恨があったのだが、使用していた碁盤の因縁によって、
幻覚に惑わされた光茂は、又一郎の首を斬り殺してしまう。
光茂の側近、小森半左衛門により事件は隠蔽されるが、
又一郎の母親がそれを知る。
怒り悲しんだ母親は、怨みの念を込め自害、
愛猫のコマがその血をなめる。
コマは怪猫となって、光茂の周囲で次々と怪事件を起こす。
結局腰元に化けていたコマは、半左衛門によって正体を暴かれ、
壮絶な戦いの末、ついに怪猫コマは討ち取られる。
② お姫様の怨念を負った怪猫が仇討ち
こちらは、龍造寺家のお姫様が無念の自害を図り愛猫と共に死ぬが、
その怨念を託された猫があだ討ちをしたという物語。
藩主鍋島直茂に目を付けられた女たちとその許婚や家族が犠牲になる。
強烈な怨念を持った猫が女たちに姿を変えてだましたり祟ったり、
敵の者の喉首を食いちぎったりと、かなり残忍な化け猫だ。
どちらも怖ろしすぎる怪談話で、
猫とは全くかけ離れてしまってます。
こんな怪談に猫を利用するなんて!
猫に対する名誉棄損もいいとこ!
怒りを覚えますが・・
冷静に考えてみると、
こんな昔の話を知っている人は今や数少ない。
猫=化け猫 と考える人も数少ない。
ということで
はるか昔の際物、娯楽の無い時代のエンタメだった
と理解しておくことにしましょう。
我が家の猫たちと化け猫ごっこをしてみましたが、
全然恐くないどころか、
猫の方が自分の影に驚いていました。
↓
タグ:鍋島猫騒動