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猫エイズは人にうつるのか? [猫の病気]



“猫エイズ”

「エイズ」という言葉から、
なんだかこわい病気だと思っている人が多いようです。

「子猫を保護したらエイズだった」と
動揺する人も多いと聞きます。

飼い主やほかの猫にうつることを心配する人もいます。


しかし

猫エイズは猫によくある病気です。

人にはうつりません。(理由は後述します)

ほかの猫にも簡単にはうつりません。


人間のエイズとは異なりますし、
特段にこわがる必要はないのです。

実際我が家には十数匹の猫が同居していますが、
そのうちの3匹が猫エイズです。

では
猫エイズとはどのような病気なのか、

なぜ恐れる必要はないのか、

我が家の猫たちの例も含めて
見ていきましょう。





【猫エイズとはどのような病気か】

猫エイズの正式名称は、“猫後天性免疫不全症候群”といいます。

猫エイズについての
簡単でわかりやすい解説はこちら
   ↓

『“猫免疫不全ウイルス(FIV)”によって引き起こされる。
数年の潜伏期間を経て発症し、免疫力が極端に低下する。

けんかや交尾などにより、唾液(だえき)や血液で感染する。

治療方法はないが、生活状況などにより発症しないケースも多い。
人間や犬には感染しない。』 (デジタル大辞泉)



「数年の潜伏期間」ということで、
すぐに発病するわけではないとわかります。

猫エイズは次のような経過をたどります。

   
1.急性期
 エイズウィルスに感染したとき。

 1ケ月後くらいに発熱・倦怠感・リンパの腫れ
 などが表れます。

 これは猫の個体差があり、
 症状が軽かったり、まるで無症状の猫もいます。
 

2.キャリア期
 無症状キャリア期と言われる時期、

 この時期は、猫の体に特別な異変は見られず、
 感染していない猫と全く同じに見えます。

 しかし猫の体内ではエイズウィルスが
 免疫細胞に侵入しつつあります。


3.発症期
 体内のエイズウィルスが猛威をふるう時期。

 すでに免疫細胞が破壊されているので、
 免疫力つまり病気に対する抵抗力は非常に弱い。

 大したことのない細菌に感染して重症化したり、
 いろんな内臓疾患が起きたり・・

 この時期一番多く起きるのが“口内炎”や“歯肉炎”
 口が痛いのでドライフードを食べにくくなります。


エイズウィルスは、それ自体が猫の命を奪うのではなく、

長い時間をかけて猫の体の免疫力を奪っていく
影の黒幕のような存在なのです。



しかし前述のとおり
発症するまでの期間は猫の個体差によってさまざまで、

早ければ2年、遅ければ10年以上、
あるいは発症せずに生涯を終える猫もいるそうです。


我が家のエイズ3人組も、今のところ無事に過ごしています。


eiz3.png


保護したとき大体2、3歳くらいということでした。

すぐに避妊手術をし、ウィルス検査したところ
“猫エイズ”と診断されたのです。

あれから7年以上経っていますので、
今の年齢は10歳くらい?

さすがに活発な遊びは少なくなったものの、
元気に食べ、元気に惰眠をむさぼっています。


いつ発症するかわからないので
心の準備はしているつもりですが、

猫たちを見ているとまだまだ先のような気がします。


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【猫エイズ感染の原因と予防】

猫エイズはどのような原因で感染するのか?

それは人間の場合と同じで粘膜や血液を介して感染します。

ですので交尾で感染するのはもちろんですが、
猫はとくにケンカによる“血液感染”が原因の多く

エイズ猫とケンカしてひっかき傷を負ったとか、
エイズ猫の傷をなめたとかすればうつってしまいます。

一方、唾液による感染はほとんどないと言われてますので、
エサや水の食器を共有しても大丈夫なのです。


流血の事態となるケンカは避けなければなりませんが、
幸い我が家の猫たちはほとんどが穏やかな高齢猫。

当然みな避妊去勢済みです。

「過度に心配しなくて良い」という獣医師の言葉もあり、
我が家ではエイズ猫もほかの猫たちと同居しています。


では母親がエイズの場合、子猫はどうなのか?

母猫の胎内にいるときや出産時に産道を通るとき、
胎児の子猫は袋に包まれている状態ですので、

その過程で母子感染することはほとんどないとされてます。

生まれた後に飲む母乳にはエイズウィルスが含まれていますが、
これは徐々に消失していくものだそうです。

早い時期に子猫のウィルス検査をしてエイズ陽性だったのに、
3か月後に再検査したら陰性だったという例もあるとか。


万一、母猫の体内でエイズウィルスに感染してしまった場合、
その半数以上は死産してしまいます。

残り半数は産まれたとしても、生後6か月以内に
死んでしまうそうです。


というわけで

猫エイズは簡単にはうつらない

感染の最大原因はケンカであり、

感染を予防するにはケンカさせないこと、

一般的に飼い猫は完全室内飼いにすれば予防できる
ということがわかります。


ところで

猫エイズは人にうつるのか?という件ですが、
前述したように「人には感染しない」のです。

そして、その逆に人のエイズが猫にうつることもありません。

なぜなら
猫と人間はDNA構成が全く違う種属だからです。(≧▽≦)

どうぞご心配なく!


【猫エイズの治療法は?】

万一猫エイズを発症した場合の有効な治療法は何か?
ということですが、

残念ながら猫エイズそのものの治療薬はありません。


“猫エイズワクチン”は一応あるのですが、
効果は限定的で、

いくつかの副作用があるとのことで
広く使用されているわけではなさそうです。

ですので

飼い猫であれば、感染しないように注意することや、

すでに感染した猫であれば、発病をできるだけ遅らせること、

発病した猫であれば、その症状への対症療法を行ない
できるだけ安穏に生活できるようにすること、

というような対策をとるしかなさそうです。


参考の一例ですが

エイズ猫が風邪をひいたりした場合、
わりと有効なのはインターフェロンです。

インターフェロンには、「抗ウィルス作用」、「抗腫瘍作用」、
「免疫増強作用」という効能があるので、

猫エイズだけでなく、猫風邪や白血病、あるいは悪性腫瘍など、
様々な病気に幅広く活用されており、

抗生剤と共に使用することで
著しい改善効果をもたらしているそうです。


以上見てきたように
猫エイズは過度に恐れる必要のない病気です。

もしあなたの猫が猫エイズだったとしても
ごく普通に愛猫との生活を楽しむことができるのです。

偏見を持たずに猫を見守りましょう。

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